top of page

上手な話し方は「聞き方」から − 質問の大きな効果と小さなマナー

話し方・伝え方を上達させたいと思うことはありますか?


  • どんな場面で、コミュニケーションに課題を感じますか?

  • コミュニケーションを学ぶとしたら、どんな方法を考えますか?

  • 人と意思疎通を図る上で、大切なことは何だと思いますか?


質問されると、答えるまでにいろんな考えが頭の中を巡ります。人の脳には質問に反応する習性があるため、質問はアイデアを広げたり関係を深めたりする良いきっかけになります。


今回の記事では、そんな思考や関係を発展させる「質問」のチカラについてお話しします。


パーティー、名刺交換、あいさつ

◆ 話し方を上達させたいなら、まずは「聞き方」から


コミュニケーションを学ぼうとする人の多くは、「話し方」に意識を向けがちです。しかし、本当にコミュニケーションを上達させたいなら、重要なのは「聞き方」の方です。

なぜなら……


  • 人は誰よりも「自分自身」に興味があるから

  • 人は「説得を警戒」する習性があるから

  • 話す人は多いけど「聞いてくれる人」は少ないから


上手に話せる人より、上手に聞ける人の方が意外と「話し上手」と見られます。聞き方を学ぶ方が共感や信頼が増し、結果的に自分の話も聞いてもらいやすくなります。


ですから、まずは相手が話しやすい空気感をつくることが大切であり、そこで重要になってくるのが「質問」です。

質問やインタビューの場面

◆ 質問が具体的だと、会話も具体的になる


「最近どうですか?」と聞かれたら、あなたならどう答えますか?


親しい人であれば思いつくまま話せますが、そうでなければ回答に困ります。特に面識の浅い人からそう聞かれたら、「何が?」と思うはずです。


質問がふわっとしていると、答える側はどう返せばいいかわからなくなります。逆に質問がハッキリしていると、答える側もハッキリ返しやすくなります。


「最近どうですか?」と聞く代わりに、「最近嬉しかったことは?」「今月印象に残ってることは?」と聞くとどうでしょう?


最近の出来事を思い出して、思いついたことを返しやすくなります。何より、自分にとって嬉しかったことや印象的だったことを聞いてもらえるのは気分が良いはずです。


文字通り「質の高い問い」は、質の高い会話につながります。

相手が気分良く話せていたら、「あなたはどうですか?」と質問が返ってくる場面も増えます。そうなると自分の話もしやすくなります。


会話や雑談、商談

◆ 質問の目的は、相手を「理解」すること


コミュニケーションの主な目的は「相手を動かすこと」だと言われています。

多くの人は、相手の感情や思考に影響を与えることで、自分の目標(説得や販売)を達成しようとします。


しかし、相手を動かすために質問を使うと、かえって信頼を損ねることになります。探りを入れてくる人、自分を誘導してくる人に対して、信頼や共感の気持ちを抱く人はいません。


人は自分を操ろうとする人を特に強く警戒します。相手を動かそうとするための質問は、「あなたを説得するための材料を教えてください」と言っているようなものです。


質問の目的は、あくまで「相手をありのまま理解すること」です。損得や利害を無視して、相手の気持ちや興味そのものを理解しようとすることが大切です。


「この人は、私を理解しようとしてくれている」と思ってもらうことが、すべての信頼関係の始まりです。


握手、信頼、安心

◆ 質問の小さなマナーと流れ


 質問は、少なからず「相手の精神」に踏み入る行為です。そのため、投げかけと展開には注意が必要です。

「相手に対する配慮」は大切にしてしすぎることはありません。ある種のマナーとして心得ておくことをオススメします。いくつか例を紹介すると……


  1. 会話泥棒にならない。話は最後まで聴く。

  2. 相手任せにもしない。話が脱線したら戻す。

  3. 助言はしない。求められた時だけ意見する。

  4. 一問一答にしない。会話の流れを意識する。

  5. 理解した気にならない。要約して確認する。

  6. 思いやりを忘れない。共感と受容を示す。


自分の興味や目的を傍へ置いてでも、相手の感情や話の内容に気を配ること。それができれば信頼関係は自然と深まっていくはずです。

(より詳しく知りたい方には『質問ワークショップ』をご案内します)


「会話が楽しかった」「良い話ができた」「また話したい」と思ってもらうためにも、ぜひ自分なりの「会話のマナー」を身につけていきましょう。


契約、ルール、マナー

◆ 聞き上手になって「信頼される人」に


誰にとっても、「自分と同じ目線で話してくれる人」の存在は貴重です。

誰もが自分の話を聞いてもらいたいからこそ、自分はその気持ちをグッとこらえて相手の話に集中する。信頼はそういった姿勢から生まれます。


人は「自分を後回しにしてでも私のことを考えてくれる」という人を信用します。ぜひ話し上手ではなく「聞き上手」を目指すことをオススメします。


質問する能力が高まると、相手にとっては信頼できる人が増え、自分にとっては想いが伝わりやすくなります。質問から広がる世界はきっとおもしろいはずです。


質問のスキルを高める具体的な方法については、本を紹介したりワークショップを企画したりするので、興味がある人はメールマガジンをチェックしておいてください。


お互い質問する能力を高めながら、信頼でつながる世界を創っていきましょう。



Comments

Rated 0 out of 5 stars.
No ratings yet

Add a rating
bottom of page